After 7 / Timeless (アフター・セブン)

After 7 / Timeless
After74


エドモンズ家のケヴォン、メルヴィン、ジェイソンとLAリードの従兄弟キースの4人組R&Bヴォーカル・グループ。
ベイビーフェイスことケネス・エドモンズらのプロデュースで21年ぶりにリリースされた新作をレビュー。

アフター・セヴンの4th「Timeless」`16年リリース。

tr.1 Runnin' out
イントロから強烈に漂うベイビーフェイスらしい爽やかな甘さを提供してくれる、スムースなスロウ・ジャム。
しっとり系のコーラスに程好くポップな歌メロ、押し引きを弁えつつも充分な量のフェイク、とりあえず欲しいもの全部入り。

tr.2 Let me know
PVも用意された楽曲。制作は童顔師匠、ダリル・シモンズ、アントニオ・ディクソンらが参加したスロウ。
丁寧なコーラスと多彩なフェイクで派手に仕上げたフックはB2M/End of the roadを想起させる逸品。

tr.3 More than friends
ダリル、アントニオ、ベイビーフェイスが制作していますが、やや現代風のシンセ主体のメロウ・ミッド。
♪ガチャビン、ガチャビン♪のフレーズが妙に印象に残ってしまいますが、即効性に優れた楽曲です。

tr.4 I want you
師匠のアルバムに先駆けてリリースされた楽曲の師匠のリード入れ替えver.。制作はダリルと師匠。
トト/Georgie porgyに似たヴァースから鮮烈なフック、フェイクが乱れ飛ぶアウトロまで全く隙のないポップ・ミッド。
固めのドラムに軽やかなピアノ、煌びやかなシンセとモーグ・シンセによる味付けがなされたトラックも完璧。

tr.5 Too late
制作はダリルとDavid Andrew Edmonsという方。ヴォーカルでも参加している彼もベイビーフェイスの血縁でしょうか。
それなりに派手なトラックを用意していますが、ヴォーカル主体で聴かせるしっかりしたメロウ・チューン。

tr.6 Lovin' you all my life
ダリルと師匠による、トラックも歌メロもポップス方向に大きく舵を切ったポップ・チューン。
90年代に多くいたボーイズバンド系の楽曲でアフター7向きとは言い難いですが、即効性は抜群。

tr.7 If I
イントロやフックがディール/Sweet Novemberをしっとりさせた様に聴こえる激甘メロウ・ミッド。
制作は師匠とダリル、今作中の曲ではコーラスとリードの関係が分かり易くなっており懐かしい手触りです。

tr.8 Everything
ココからの3曲は師匠抜きです。制作はDemonte Poseyとダリル、細いコーラスを重ねたメロウ・ミッド。
トラック、歌メロともちょいスリリングで分かり易い仕上がり。

tr.9 Betcha by golly wow
スタイリスティクス及びコニー・スティーヴンス/Keep glowin strongのカヴァ。制作はtr.8と同じ。
昨年鬼籍に入られた殿下もカヴァしていた人気曲ですが、アフター7のモノはシンプルかつ圧倒的。
スタイリスティクス版のドリ~ミ~感を大きく増し、ドラマチックなのに極めて落ち着いた仕上がりに。

tr.10 Home
ゴスペルにも似た荘厳な雰囲気を醸し出すこってり系のスロウ。
プロデュースの方向性がtr.9と似てしまっているのでやや冗長な印象があり、〆としては物足りないかも。


会心の一発"I want you"だけではなく聴き所の多い素晴らしいアルバム。師匠抜きでダレる終盤にはtr.9という一撃を用意。
ジャケットから窺える老けっぷりからは想像も付かない強力なメロディと逞しい歌唱が詰まった作品です。
個人的に残念なのはこっそり期待していたJonBの不参加。替りに3rdと比べてソウル純度は高めになっております。

'16年のお気に入り。

例年のごとく昨年2016年のお気に入りをダラっと。

15年はここ。

○まずは曲ごと。

no.1 Silk / Love 4 u 2 like me

多分一番聴いたのがコレ。ポップ過ぎるけど抗えない磁力。

no.2 Suchimos / Mint

これはしょ~げき的な一発。日本製という事を差し引いても上出来。

no.3 Gold Swagger / I can't wait

トラックもさることながらマヤ・アズセナの押し引き巧みな歌唱が良過ぎ。

no.4 Rob Zombie / Get high

単純、豪快。ちょっとおつむの足りないアタシにはありがたい曲。

no.5 Pretty maids / last beauty on earth
※音源が無いんで停滞期のアルバムからのオススメでお茶を濁しておきます。

激甘もイイけど、繊細な甘さも分かっちゃう気配り上手なメイドさん。

アフター7の"I want you"は一応'15年発表って事で除外。師匠ver.ならno.2に入れます。

○アルバムごとで。

no.1 Keith Sweat / Dressed To Impress
KeithSweat12
ゲストも凄いが本人も凄い。変わらないのは予定調和ではなくファンへの気遣い。

no.2 Pretty Maids / Kingmaker
PrettyMaids15
まだシンセ過多だったりグルーヴ系が不足したりはありますが、とにかく出来が良い。

no.3 Gold Swagger / Gold Swagger
GoldSwagger1
ソウルと関係ないトコからこんな濃ゆいソウルが。探してきた人はえらいなぁ。

no.4 Silk / Quiet Storm
Silk7
珍しく濃さよりも分かり易さを選択。リルG復帰も大変効果的。

no.5 Sixx AM / Prayers For The Blessed vol.2
SixxAM5
しっかりへヴィでメロディは甘くてポップ。ジェームスは天才じゃあるまいか。

次点はディファイアンツっすかね。

○特別賞的なやつ。

今回は無し。強いてあげるならサチモスのEP。
それとベイビーフェイス師匠の復活。アルバム聴いてないっすけど、評判はかなりイイみたいです。


今回は楽曲はキースを入れるか迷ったくらいだけどアルバムは力作ぞろいで迷いました。
傾向としてはアーバン系は超豊作、ロックはちょっと絞り過ぎたせいか数不足かな?と。
ロックは充分盛り上がってるんで自分から探さなくてもイイのが見つかるんで油断してました。

サチモス新作購入。

オサレの最先端をうっかり走ってしまいまして、サチモスの2ndをゲトりんぐ。

サチモス / the Kids
サチモス2

タワーとかアマゾンとかじゃなくて近所のゲオで買える新譜なんて・・・もう間違いなくオサレ。
限定盤に早速プレミア付いてるみたいですが、オサレ過ぎて付いていけないので通常盤で。

で、前作ではジャミロクワイに良く似た感じでしたが、今回、特に後半はファン・ラヴィン・クリミナルズっぽい感じ。
チンピラ感は薄いけどジャズ、ファンクなんかの要素をロックで仕上げてダルいヴォーカル乗っけたあたりは近いかな、と。
ATCQ/Stressed out ネタの曲なんかもあったりしてあんま若い子向けじゃないかも。


この曲がオープングナムバー、ダルダルなのはいいけど音数多すぎて好みじゃないなぁ。

レビューはこちら。

Pretty Maids / Kingmaker (プリティ・メイズ)

Pretty Maids / Kingmaker
PrettyMaids15


ケン・ハマーとロニー・アトキンス率いるデンマークのへヴィメタル・バンド。
北欧的な甘いメロディと米国よりの単純なリフを兼ね備えた音楽性で30年以上にわたり控えめに君臨中。
今回もフロンティアズからジェイコブ・ハンセンのプロデュースで制作されております。

プリティ・メイズの(Louder Than Everを含め)15th「Kingmaker」をレビュー。

tr.1 When god took a day off
ちょいハッタリのきついイントロからアニメちっくなノリで聴かせるやや速めのアップ。
他の北欧系やレーベルの同門と違い歌メロの臭みは薄めなので聴き易いあたりがメイドさんらしいトコ。

tr.2 Kingmaker
タイトル・チューンに相応しい単純かつ強靭なリフとドラムがオットコマエなへヴィ・ミッド。
吸引力のあるヴァースに対してフックがちょっとダルいのが残念ですが歌メロ無しでも楽しめる曲だと思います。

tr.3 Face the world
彼らのアルバムには大抵一曲くらい用意されている爽快ポップ・チューン。今回も即効性抜群の一発です。
シンセがやや過剰ですがキラキラ感たっぷり、ブリッジからの展開も爽やかで隙のない出来。

tr.4 Humanize me
歪んだギターと綺麗目シンセのコントラストが印象的なへヴィ・ミッド。
即効性に優れメタル好きが好みそうなメロディを持ったフックがあります。ギターソロは好みじゃないです。

tr.5 Last beauty on earth
ギターポップ風のシンプルな乾いたギターに甘切ないメロディを乗せた極上のメロウ・ミッド。
派手さを抑えたプロダクションなので即効性は控えめながら素晴らしい仕上がりで確実に耳を捉える楽曲。
こっちのギターソロは抜群、短いながらもタマランです。

tr.6 Bull's eye
分かり易いリフでザクザク刻む、LAメタルっぽいちょい猥雑な雰囲気のあるハードロック。
メロディ、アレンジも無駄なことはせずに期待通りの展開と質で嫌いになる要素の見当たらない逸品。

tr.7 King of the right here and now
ドラムとヴァースの歌メロが妙にバウンシーなへヴィ・ミッド。サビとブリッジは甘め、ソロは塩辛い。
終盤のコーラスはちょっと工夫があったりして色々詰め込んで飽きさせない曲に仕上がってます。

tr.8 Heavens little devil
涼しげなヴァースと装飾多めのフックを持ったメロディアス・ハード。
派手な音とメロディの割にあっさりしてますが、いつもとは違う感覚を味わえる逸品です。

tr.9 Civilized monsters
プリ・コーラスにメイズっぽさが漂うものの、今作では珍しいレーベル・カラーが出た疾走系のメロディアス・ハード。
歌メロ、リフも素晴らしく、彼らのこの手の曲の中ではかなり出来の良い部類に入るかと思います。

tr.10 Sickening
スラッシュ・メタルっぽい突進力溢れるリフと汗臭いフックがオットコマエな、へヴィ・ミッド。
シンセ過多だったり妙にメロディアスなギターソロなんかもありますが、気になるほどでは無いでしょう。

tr.11 Was that what you wanted
過剰なシンセが曲に勢いを与えているテンションの高いファスト・チューン。
特に旨味の無いリフやメロディを力技で一段上の聴ける仕上がりにしているのはプロデューサーの手腕でしょうか。

○ボーナス・トラックは2曲。
tr.12 Kingmaker (Extended)
いつものように取って付けただけのボートラその一。なくてもイイっす。

tr.13 Humanize me (Extended)
いつものボートラその二。こちらは日本盤のみ、かな?やっぱりなくてもイイっす。


フロンティアズ移籍以降の4作では彼らの持つ際立ったバランス感覚が最も発揮された作品だと思います。
重いやつから甘いやつまで万遍なく高品質の楽曲をそろえた、確かな手ごたえを感じる傑作。
激しさよりも重さに比重を置きつつも愛想の良い甘めなメロディをたっぷり用意しているのでこれまで見送っていた方も一考を。

Joe / My Name Is Joe Thomas (ジョー)

Joe / My Name Is Joe Thomas
Joe12


不倫ソング"All the things"でR&Bファンの心をがっつり掴み既に20年以上のキャリアを積んだシンガー。
3rdアルバムにファミリーネームを足しただけの非常に紛らわしいタイトルの新作をレビュ。

ジョーの12th「My Name Is Joe Thomas」`16年リリース。

tr.1 Lean into it
シンプルかつ静かに始まるヴォーカルとドラム主体のスロウ。制作はデレク・DOA・アレン
緊張感のあるシンセやストリングスも散りばめられてはいますがかなり地味。

tr.2 Don't lock me out
手数の多いパーカッションと重めのストリングスが印象的なやや前のめりなノリのミッド。
DOA・アレンの手掛けるトラックはかなり上品なヒップホップで手数のわりに歌の邪魔をしません。

tr.3 Wear the night
アレンとジェラルド・アイザックという方が制作、湿度高め熱量低めのラテン・ギターとヴォーカルで聴かせるスロウ。

tr.4 So I can have you back
アレンとアイザック制作、アタック弱めのぼんやりしたトラックで対照的にジョーのヴォーカルが浮かび上がるスロウ。
ここまでの曲と傾向は似ているものの、ヴォーカルの熱量があがっておりコーラス無しでしっかりと押し切ります。

tr.5 No chance
これもアレン、アイザックが制作、焦燥感のあるトラックと歌メロにストリングスを絡めたミッド。
変則的な早めのドラムに言葉が詰まり気味なのでやや90年代風というかいつものジョーっぽい曲。

tr.6 Happy hour
Damo Farmerという方とアイザックが制作、グッチ・メインをフィーチュアしたトラップ風味のミッド。
今風のエレクトロ・ポップから派手な要素をごっそり削いだような楽曲で地味ながらも分かり易い曲。
ほぼドラム抜きの部分でラップしているしているせいかグッチの存在感はかなり薄め。

tr.7 Hollow
妙にカントリーっぽい曲で制作を務めるZach Crowellと女声ヴォーカルのHeather Morgan共にそちらの人のよう。
地味なメロディとプロダクションの今作にあってはかなりポップで分かり易いミッド。
とは言え従来のジョーのイメージから逸脱するような曲にはなっておらず、かなり出来の良い逸品です。


tr.8 Harricane
アレン、ファーマー、アイザックによる静かな中にも力強さを感じるスケールの大きなスロウ。
なぜ今回ここまで地味なプロダクションで仕上げたかの答えが得られるであろう素晴らしい楽曲です。
がっつり感動系の仕上げをしてしまいそうなメロディですがコーラスすら取り払った潔い出来。

tr.9 Can't run from love
上記3名、DGDエフェクトによる浮遊感のあるというか掴みどころのないミッド。
音と歌メロが揃ってぼんやりしているので悪い方向に相乗効果が働いてしまっています。

tr.10 Tough guy
DGDが制作、ピアノとストリングス主体のトラックに透明感のあるコーラスを乗せたスロウ。

tr.11 Lay you down
DGDが制作、ちょいティンバったトラックでフューチャリスティックR&Bを思い出させるミッド。
コーラスとリードも従来のR&Bに近い構成なので安心して聴ける楽曲。

tr.12 I swear
オール・フォー・ワンのヒット曲とは異曲。ほんのりレゲエ味を塗したメロウ・ミッド。
制作はファーマーとアイザック。音数が少ない以外は従来の作風に近い仕上がりです。

tr.13 Love centric
アレンとアイザック制作。ヴォーカルを前面に出したホンワカ黄昏系のミッド。
クラシカルな手触りどころか音が良い所を除けば完全にクラシック・ソウルそのもの。主役の歌もこれがベストでしょう。

tr.14 Celebrate you
しっかりと音数こそ絞ってはいるものの、今作ではちと場違いにも聴こえそうな陽性のポップ・ミッド。DGD制作。
70年代のソウル、ファンク的な音を使いつつも極力地味に仕上げてあり、雰囲気を壊さないギリギリを狙ったようです。

tr.15 Our anthem
これもアレンとアイザックによるtr.13と似た質感のクラシカル・ソウルでモノラル録音じゃないのが不思議。
ジョーの燻り気味の熱いヴォーカルとトランペット、ピアノでファンキーに聴かせる素晴らしいポップ・ミッド。

tr.16 Hello
アデルのカヴァ。原曲未聴。制作はアレンとアイザックでtr.8と同様の重厚な爽やかさを打ち出すスロウ。
他の曲と違い早めに歌の熱量を上げてきてストリングスの音量も大きいので、今作においてはやや過剰演出気味。


装飾を剥ぎ取り過ぎたせいで中盤までは戸惑いっぱなしにさせられますが、tr.8からはグイグイ磁力を増してきます。
意欲的なプロダクションと素晴らしい楽曲もありますが、従来のファンに安心して勧められる作品ではないのでまずは試聴を。
i tunes等なら7,8,13,15がオススメ。どれもこれまでとは違ったタイプの曲ながら素晴らしい仕上がりです。
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